映画「情熱のピアニズム」公式サイト

#09 Yoshinori Shiraoさん

2012/10/13 02:32 up!

最初で最後の生ペト体験は、彼の天才、いやこの上なくハピネスに満ち溢れたサウンドを楽しみたいという観客でいっぱいのブルーノート東京でした。今ではめったに語る人もいない、その前の来日(兄のルイ&レニー・ホワイトとのトリオ)の公演も見に行ったという相方と一緒に見に行きました。見に行きましたとは書いたものの、実際はペトちゃんの姿はすし詰めの観客の頭に隠れてついに一度も見えず。主にアンソニー・ジャクソンやスティーヴ・ガッドの方を見ながら、ペトちゃんはテクニックが超人的で、かつそれ以上のレヴェルのドライヴ感を持つリズムセクションが欲しかったんだなあと漠然と感じたことをおぼえています。

名曲「セプテンバー・セカンド」のイントロが奏でられた時相方が「来た来たw♪」とつぶやいたのと、メンバー紹介でアンソニーがペトちゃんを紹介する前に「シルヴ・プレ」と言ったのがなぜか強力に記憶に刻まれています。ハコの壁に反射して四方八方から降り注ぐ音が、観客一人一人の胸を踊らせ心を幸せにする、稀有のライヴだったのだな、と今も思います。
ペトちゃんの音楽は大学のジャズ研界隈でも大好きな人が多く、こだわりが強くて自分が好きでないアーティストをけなしがちなみんなの意見が「ペトちゃんはいいよね!」と一致団結する数少ない音楽家でもありました。その意味でも彼は「幸せを生み出すアーティスト」だったのだなと思います。

私にとっても生涯大切な音楽家となったペトルチアーニを教えてくれたジャズ研仲間に感謝したい気持ちでいっぱいです。そしてもちろん、彼の音楽と向き合った時間の素晴らしさに対して、ペトルチアーニ本人にこの機会に改めてありがとうと申し上げたいです。

Yoshinori Shirao