映画「情熱のピアニズム」公式サイト

#16 陰山善行さん

2012/10/13 02:35 up!

1991年11月のブルーノート東京でのライブでseptember secondの美しい響きに魅了されてからというもの、彼が来日するたびに聴きにいっていました。ですのでもちろん、97年のライブも聴いています。仕事帰りでクタクタになってセカンドショーにいったのですが、それでも彼のピアノを聴くと不思議と元気になってお店を出たのが思い出されます。
彼のピアノの魅力は、なんと言ってもあのバイタリティーにあります。生命力にあふれる強いタッチからは独特の躍動感が感じられますが、早世してしまった今となってみれば、文字通り「命を削って」演奏していたのかと感じ入るしだいです。

彼が亡くなったのは98年の初頭ですが、その翌月には来日してブルーノートで演奏するはずでした。それを楽しみに待ちわびていたのですが、新聞での思いがけない訃報に接し、ショックのあまり仕事が手につかず、会社を早退してその日は一日自宅で呆然としていました。

その後、パリにいくことがあり、ペール・ラシェーズの彼の墓前で御礼をしてきました。「命を削ってまでの美しい演奏を、長い間聴かせてくれてどうもありがとう」と。

陰山善行